医療的ケア

旅行・帰省の時の酸素・人工呼吸器どうするの

家で人工呼吸器や酸素を使っていたら旅行や長めの帰省なんて無理って思っていませんか?確かに荷物は大量ですがそれでもちょっとした工夫で荷物を減らしてお出かけすることができるんです。細かな対応は人工呼吸器や酸素の業者さんと相談するしかないのですが、相談したらほとんどの業者で対応してくれるよってことを紹介します。

①移動型酸素濃縮器(シンプリーゴーミニなど)のレンタル 

重い、うるさいなどの弱点はあるものの、車のソケットからの電源供給OK飛行機OK

ボンベのように残量を気にしなくてよいなどのメリットから、普段はボンベを使っている方も旅行の際にレンタルはありかなと思います。そのほか最近災害時・緊急時用のボンベとの併用が可能になったのでいっそこちらを外出時のメイン酸素供給源にしてもいいかもしれません。かくゆう我が家も体調不良でかかりつけ病院に受診した際、外来待ち時間に酸素がなくならないかひやひやした経験があります。

ただし据え置き型の酸素濃縮器の配置が基本呼吸器への接続は不可(Tピースや人工鼻・経鼻カニュラでの使用はOK)ですので注意してくださいね。

②酸素ボンベを現地に配達してもらう

飛行機搭乗はOKになったものの、書類申請をしないといけないなど煩雑さはあります。日本国内では現地での補給OKなので、移動分のみ持参し残りは現地に配達してもらうのがいいかと思います。

レンタカーなど車の中に置きっぱなしは不可ですので旅行の際は気を付けてくださいね。

③呼吸器以外の呼吸器関連物品はすべて配達してもらう。

2本使用している加湿回路にアジャスターを付けて人工鼻を挟む移動用一本回路回路にできるのは皆さんご存じかと思いますが、それでもやたらと物品が多い上に旅行先での設置が大変なのが人工呼吸器です。加湿器・温度感知センサー・呼吸器を載せる台は現地への設置可能ですので是非利用しましょう。これだけでS字フックをもっていってとか考える必要がなくなりますし、安全に人工呼吸器が使用できます。ただし加湿用水の現地設置は呼吸器の業者では不可能な場合が多いですので、あらかじめの郵送などを検討してください。人工呼吸器自体も配置は可能との事ですが、呼吸器の設定などは間違えが起こるといけませんので呼吸器自体はご持参をお勧めします。ちなみにディズニーランドホテルなどは手慣れていてスムーズに対応してくれるようですよー

人工呼吸・在宅酸素療法の使用者の旅行や帰省は本当に大変ですが、かといってそのことが理由で帰省や旅行が制限されるのは悔しいですもんね。業者は案外、何でもやってくれるよーというお話でした。ぜひ参考にしてくださいね。

  • この記事を書いた人

おkら

呼吸器内科医。産後育休を取らずに仕事復帰したものの1歳を過ぎたころダウン症の息子に在宅人工呼吸器が必要になり保育園退園→介護休業→介護休業使い切り退職→研究職。いつか臨床に復帰したい。今の目標は息子に色々な経験をさせること。

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