合併症 言語聴覚療法(ST)

聴覚障害と診断されて

以前に難聴の疑いのままでしたと言う記事を書いてその後何にも書いていませんでした。うちの子の難聴→難聴疑い→ほぼ正常聴力までの経緯を経緯をまとめてみようと思います。検査についても多少記載しますので、参考にしてください。

まずGCUに入院中にAABR自動聴覚脳幹反応を受けました。結果は両側リファーつまり聴こえているという反応は見られないとの事でした。これは結構きつかったです。全く聞こえていないとかなり発達に支障が出るのはわかっていましたので。この時は手話を勉強しようと思い詰めていました。(この辺りは以前の記事『耳が聞こえていないの?』で書いてあります。)けれどその後再検してもらい右はパスになりました。左はリファーのままでしたが。でも全く聞こえていない可能性があるのと、少なくとも片方聞こえているのはかなり違います、やはり発達の面で。

その後月齢4ヶ月でダウン症学会の推奨する病院の耳鼻科にかかりました。主治医の方針で主治医の病院ではなく、小児の難聴を専門としている病院の中から近いところを選んで行きました。ティンパノメトリーとOAEを行いました。ティンパノメトリーは中耳の状態を見る検査で鼓膜の動きを記録します。OAEは2種類あってTOAE誘発耳音響放射とDPOAE歪成分耳音響放射があります、違いは忘れましたが。音を聞かせて蝸牛にある有毛細胞の興奮を感知するんだったと思います。両方ともコードのついた耳栓みたいなものを外耳道に入れて検査するんですね。ともに、外耳道が細いなどで奥まで音波が届かないや、中耳腔に液体が貯留しているとしっかりとした検査はできないようです。DPOAEを行いましたが、珍しくご機嫌ななめだったうちの息子は大暴れで、検査はやっぱり参考値程度でした。けれど聴覚行動反応検査BOAも診察室でしてもらい数値では確認できないけれど聞こえてそうですねとのお話でした。

その後月齢6ヶ月ABR聴性脳幹反応聴力検査を行なって確定診断の方針となりました。ABRでは40dBまで左右ともにV波あり、ほぼ正常とのことでした。Ⅰから順にVまで伝わっていくのでVが反応していたらそれまでの経路もOKということです。乳幼児にの他覚的聴力検査として広く利用されるが限られた周波数しか測定できないため、言葉の聞き取りに重要な周波数全ての聴力を詳しく反映しているわけではないです。

さらに1歳の時DPOAEを受けましたが、今度は耳垢がたくさん詰まっていたみたいでやっぱり検査は参考値でした。しかし、この時はまた風邪もひいていて鼻も詰まっており、おそらく急性感染の繰り返しでしょうが、あまり継続するのはどうかと言うことでオーグメンチンの処方を受けたのと中耳炎などに移行する懸念があったのか今度は3ヶ月後の受診の予定となりました。急性中耳炎の恐れではなく滲出性の中耳炎の可能性があったのだと思います。ただ、小児に抗菌薬を出すかはかなりコントラバーシャルなので。。

1歳3ヶ月の時には気管軟化症の影響で入院していましたので、受診は延期になりました。

1歳8ヶ月の時にまたOAEと新たに条件詮索反応聴力検査CORを行いました。CORは音刺激に対する、探索反応や定位反応を、光刺激を伴った玩具によって共感力・条件付けし聴力を測定するもので、乳幼児の聴力検査のうち、精度が高く最も多用されている検査である。この検査の対象は6ヶ月から2歳くらいが対象で、左右どちらかの聴力の良い方で聴いた時の反応を見ているの基本的に左右別々の聴力の測定は困難です。50−60dBは聞こえているとの診断でした。

OAEはやっぱり測定できない音域が左耳であり、また次回に持ち越しです。毎度結構な耳垢があり、外耳道の狭い息子の耳垢は綿棒などで取るのは難しいので検査で問題なしとなってもやっぱり耳鼻科には定期的には通わないといけないのかなと思っています。

あとですね、今回これが書きたくて記事にしたのですが、ダウン症でこういうことはよくある様です。つまり外耳道が狭いや中耳炎になって検査がうまくできていないだけが要因ではなく、おそらくダウン症では出生後に聴力の成長があるのではないかと言う説があるとのことです。最初は本当に聞こえていないか聞こえが悪いが徐々に聴力が発達して聞こえてくると言う事です。もちろん本当の聴力の完成はダウン症でなくても3歳くらいなんですが、ダウン症だと検査に引っかかるくらいの状態からの発達があるかもしれないとのことです。まあ、証明はされていないんですが。

しかし、6ヶ月前に難聴を指摘された児は6ヶ月後に難聴を指摘された児よりも獲得語彙数が多かったとの報告がありますので、もちろん難聴を指摘された場合はその後、正常と診断されるに至る場合もあるありますが、きちんと医師に継続的にかかることが大切です。

また聴力に関しては左右の耳を別々に検査できるようになるまで(通常4-6歳まで)、聴力検査(audiogram検査)と鼓動検査(ティンパノメトリー)を6か月ごとに行う。

というわけで、息子は基本的な聴力は保たれているようですが、一部周波数はまだ測定できておらずわからないというのが医学的な判断になります。

ちなみに母的感覚ではしっかり聞こえていると思います。音楽に対しての感覚は素晴らしいと思います。聴覚的な方向性もあります。童謡のキラキラ星が好きなんですが、いろんな音のなるおもちゃでいろんな音のキラキラ星が流れます。ランダムで流れるのもあるんですが、ほぼ最初の1音でキラキラ星と気がついて手をキラキラさせます。ママは最近息子がキラキラし始めたらキラキラ星なんだなと気がつきます。音楽的センスがあるのかしら。という、親バカコメントを添えて。わが息子の難聴に関する諸々をまとめてみました。

  • この記事を書いた人

おkら

呼吸器内科医。産後育休を取らずに仕事復帰したものの1歳を過ぎたころダウン症の息子に在宅人工呼吸器が必要になり保育園退園→介護休業→介護休業使い切り退職→研究職。いつか臨床に復帰したい。今の目標は息子に色々な経験をさせること。

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