医療的ケア 嚥下機能障害

歯周病とアルツハイマー型認知症

これも今のうちからできる対策だと思うので詳細はいらないと思いますが概略だけまとめたいと思います。

2020年6月16日にJournal of Neurochemistryに掲載されたものです。九州大学の歯学部よりの報告です。

『歯周病の原因菌であるジンジバリス菌を全身に慢性投与することにより正常な中年マウスの脳外で産生される脳老人斑成分アミロイドβが脳内に取り込まれることがわかった』そうです。具体的には『ジンジバリス菌を3週間連続で投与すると中年マウスの脳血液関門BBBを構成するする脳血管内皮細胞周囲の脳実質に置いてアミロイドβが増加し、記憶障害が誘発されることがわかった』と言うことです。

どう言うことか説明します。

まず、大前提として

①脳にアミロイドβが蓄積することによってアルツハイマー型認知症が生じる

②歯周病は菌が口腔内からほんの少量ずつ血液内に入り、慢性炎症を引き起こす。

③脳血管関門は大切な脳という臓器を守るもので、特定の分子しか通らないように設計された皆にある脳のバリア。

つまりマウスを歯周病による慢性炎症が起こっているのと同じ状態にすると脳の外で作られるアルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβが脳のバリアである脳血液関門を通過できるようになってしまい、通過して脳に蓄積しアルツハイマー型認知症を引きここしているとわかったようです。

逆からいうとアミロイドβが脳に蓄積しなければアルツハイマーにはならず、なんらかの作用で脳血管関門を通過させる歯周病による慢性炎症がなければアルツハイマーにはならないのではないかと言いたい研究です。

つまり

歯周病ケアをして慢性炎症を引き起こさなければアルツハイマーを予防できるよ!です。

結果口腔ケアですね。私はダウン症の息子に応用できないかということだけに興味があるのですが、脳血液関門がダウン症でも同様にアミロイドβをそもそも通過しないようにできているのかというところが一番気になりました。アミロイドβの脳への蓄積で認知症が起こるのは同じですので。しかし、おそらくこういうのは若年性アルツハイマー型認知症で研究が進むと思うのでこれはダウン症と近いものがあるのかもしれません。現状はダウン症であろうとそうでなかろうと口腔ケアをすることしかなさそうです。

(これって、ランダムにある年齢以上の人をピックアップして歯周病とアルツハイマー型認知症の有無でフィッシャーの正確確率検定したら、簡単に相関わかるんじゃないかな?病理学的にアルツハイマーを証明した方がいいから久山町研究の一環でやってくれないかな。今までの残っているデータとかででも。。。)

ちなみに前も書きましたがインフルエンザの予防にも口腔ケアは効果的です。

私も早期に認知症になるわけにはいかないので、歯医者に定期的に通うことにしました。今日はクリーニングだけでしたが、後日変な向きに生えている親知らずを抜こうと計画中です笑 マウスでの研究なので人間に当てはまるかはなんとも言えませんし、まだ結果が出るまでに十数年くらいかかりそうな研究ですが、口腔ケアは特に何も悪いことはありませんし、やれることをやっておこう精神です。

後は私個人の予想ですが、口腔ケアはいろいろな疾患を引き起こしたり悪化させるということがどんどんわかって来ているので、ちょっとトピックになってくるかなと思っています。

  • この記事を書いた人

おkら

呼吸器内科医。産後育休を取らずに仕事復帰したものの1歳を過ぎたころダウン症の息子に在宅人工呼吸器が必要になり保育園退園→介護休業→介護休業使い切り退職→研究職。いつか臨床に復帰したい。今の目標は息子に色々な経験をさせること。

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