医療的ケア 育児

医療的ケア児、水族館に行く。

医療的ケア児の息子と一緒に水族館へ行ってきた体験記です。

と言っても、医療的ケアとして息子は気管切開だけで適宜吸痰はいるものの、人工呼吸器はおろか酸素ボンベも持ち歩かなくていいので他の子供が水族館へ行くのとほとんど変わりませんが、痰の固くなり具合とかベビーカー(結構大きいのでうちのが通れたらバギーもほぼ大丈夫と思います)での移動とか、ベビーカーの座面からの低い位置で楽しく観覧できるかなど書いていこうと思います。

JR大森駅から15分ほど歩いてしながわ水族館へ向かいました。幸いにも晴れていたのでよかったですが、荷物もあるとやや徒歩では遠いですね。巡回バスは出ているのですが、息子のベビーカーは子供車いすとして使用していて折り畳みできないのでバスの空間の広さがわからなかったので歩きました。道はやや凸凹していますが、最近のベビーカーであれば問題ないと思います。しかし、車いすやバギーなどは幅や段差が通るのは介助があっても難しいかもと思うところが多数ありました。私も以前のように人工呼吸器や酸素ボンベを載せているのであれば多少困ったと思います。

さて入場ですが一般枠は大人1350円、中学生・小学生600円、幼児(4歳以上)300円、65歳以上1200円となっています。各種障害者手帳・療育手帳・被爆者手帳を持っている方は、手帳のご提示で本人様と添い1名を減免料金として一般料金の半額となります。一般枠はWeb購入可能ですが「※割引をご利用になられる方は、当日窓口にてご購入ください。」となっていて減免料金適応枠は当日購入しないといけないためやや煩雑だなと感じました。

減免対象の方こそ並んで購入が大変だと思うんですよね。我が家も身体障碍者手帳を持っている息子本人は料金が発生しない年齢ですが付き添い1人が減免対象となります。しかし息子と並ぶのも大変なので一般料金で購入しました。ちなみに、当日は11月23日の祝日であったこともあり、入場は10時45分ごろでしたが、かなりの長蛇の列でした。おそらくその後いったん11時半過ぎには昼食のために水族館の外に出たのですが、少なくともまだ券売機は列が続いていました。なので、手帳で減免料金にはできないですが、あらかじめWeb予約をしている方がいいと思います。

コロナ対策に関しては以下のようになっています。

※館内が混雑する際は整理券を配布し、順次ご案内するため、お待ちいただく場合がございます。※ご来館の際はマスクを着用するなど、当館が実施している新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策にご協力のほど、よろしくお願いいたします。

さて、実際購入済みの一般枠のチケットで入場しましたが、車いす(バギー)ですよと示すために子供車いすマークをベビーカーにつけて、身体障碍者手帳は持参しました。

一般にベビーカーに乗ったままで入場可能で、 各階へ移動の際はエレベーターを利用します(ただし、ゴールデンウィークやお盆の大型連休期間中は持込不可なので、念のため車いすであると示そうと思い持っていきました。)

<イルカショー>

まずは一日③回のイルカショーを見に行きました。当日限り再入場は何度でも可能ですので順路前半は最初スルーしてのイルカショーの場所に行きました。しかし当日かなり混んでいたこともあり、立ち見席でしたがそれも息子は夫の肩車で何とか見られるような感じでした。後ほど見ましたが、車いすゾーンもあります。しかし、イルカショーはかなり前から行っていないと車いすゾーンにはたどり着けないのではないかなと思うほどあまり配慮はされていませんし、案内の方などもいませんでした。観覧席(階段席)は前半分位まで特に正面のゾーンは水が大量にかかるので医療的ケアのある子はあまりお勧めではないです。そもそも階段席なのでバギーなどで入るのは難しいと思います。うちの息子は水槽の側面は見えない位置からの観覧でしたので、イルカさんを見失って時々ジャンプするのにぱちぱちはしていましたが、楽しむほどはイルカさんの動きについて行けてない様子でした。

イルカショーを見た後一旦外に出て昼食を取り、食後再入場しました。この時も券売機はまだ列が続いていました。

<フロア>

フロアはバリアフリーになっており、ベビーカーを押していても特に支障はありませんでした。道幅も各水槽の観覧スペースも広いのでベビーカーでそこまでも肩身の狭い思いもしませんでした。ベビーカーからの眺めとしても低い位置からも見えるようで問題なさそうでした。海底トンネルはむしろ少し仰向けになったベビーカーでの観覧は特等席だと思います。ほとんどの水槽が今84㎝の息子が立って眺めてもいいくらいの低さにあったので本当に小さい子でも歩いて観覧しても楽しいと思います。

ペンギンの水槽やアシカの水槽も、他の深海魚などもほとんどで低い位置からも見え、さらに上につながっているのでバギーやベビーカーなど低い位置から見上げるように観覧する場合も十分楽しめると思います。また、大型の魚も多かったので息子は目で追いやすい様子でした。お魚さんもガラス近くで泳いでくれるので本当に楽しそうでした。やや暗いところはどうしてもありますが、音などはそこまで大きくなく、びっくりするような演出やまぶしいといった事はありませんでした。ただ子連れがほとんどですし、ちょっとマナーの悪い子達もいて(ガラスをたたいたり、手すりに上ったり)お魚さんがかわいそうだなと思う事は多々ありました。気温はあまり寒くもなくちょうどよかったです。全体としてはスヌーズレンみたいできれいでしたし、息子も大きな魚に大満足といった様子でした。また終日人工鼻で過ごしましたが、天気は快晴で特に痰が固くなる様子もありませんでした(水辺だからやや湿度が高いのかな?)。順路から途中外れますが、エレベーターで海底ゾーンへもアシカゾーンへも行けるので車いすや場ビーカーでも観覧できないところはないようになっています。

<トイレ>

トイレは水族館に入場してすぐのところに多目的室があり、ここは大人でも横になれるほどの大きさのユニバーサルシートがあるので体の大きさに関係なくおむつ替えはできるかなと思います。ただ入り口の面している通路がやや狭いので少し混んでいるとバギーが大型だと入りにくさはあるかもしれません。それ以外にユニバーサルシートはないけれども、多目的トイレはお土産屋さんの入っている建物にもありました。

<食事>

お昼ご飯は水族館に出てすぐのところにあるレストラン・ドルフィンに行きました。整理券をもらい30-40分ほど待って入店しました。ベビーカーごと席につけると聞いていたのですが、案内された席の場所的に難しく、荷物を全部運んで入店しました。バギーや車いすの場合はあらかじめ整理券をもらう際に店員さんに伝えておく方がベターと思います。また子供用の椅子・お皿・スプーン・フォークの貸し出しがありました。刻み食やペースト食・アレルギー食の対応はないようです。大人の食事は野菜が売りの店のようですがフライがカラっと揚がっていてとてもおいしかったです。息子には少しエビフライがカラッとしすぎていて固かったようですが。

こんな様子で、うちの息子はとても楽しめました。実は息子に医療的ケアが必要になってから、親子3人で療育以外のお出かけは初だったので本当にうれしかったです。他にもいろいろ連れて行ってあげたいところがあるので、またレポしようと思います。

  • この記事を書いた人

おkら

呼吸器内科医。産後育休を取らずに仕事復帰したものの1歳を過ぎたころダウン症の息子に在宅人工呼吸器が必要になり保育園退園→介護休業→介護休業使い切り退職→研究職。いつか臨床に復帰したい。今の目標は息子に色々な経験をさせること。

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