医療的ケア 育児

訪問看護師さんがやってくれる事。感謝しかない。

息子のおけの退院とともに訪問看護の介入をいただいています。訪問看護は患者の家に訪問して医師の訪問看護指示書をもとに看護を行なってくれる、在宅医療の一種です。5日間の介入だと2事業所(ステーション)7日間だと3事業所の介入が可能です。大抵は退院時には介入できるよう入院中に主治医に指示書を書いてもらってメディカルソーシャルワーカーさんが対応できる条件の事業所を探してきてくれます。そして退院後は往診医がいる場合大抵、往診医からの指示書に切り替えて継続となることが多いです。家で看護をすることのある場合、訪問看護の介入は可能です。(例えば高齢者で背部に皮疹があり軟膏薬を塗らなくてはいけないが人手がないので訪問看護師さんをお願いするなど)。医療保険(医療ケア児はこれ)か介護保険(要介護者)を使用します。同日に2の事業所の介入はできません。

我が家を例にすると、2ヶ所の訪問看護ステーションと契約し、全部で平日週5日来ていただいています。1回1時間から1時間半です。(20分、30分、1時間、1時間半があります)理由としてはおけは結構活発に動くので気管カニューレのバンド交換がママ一人ではできないからです。休日はパパと交換しています。最初はそれだけの意味で平日毎日入ってもらってたんですが、入浴や食事介助や色々な福祉の調整なども含めてアドバイスをもらったり、レスパイトしてもらったり、ママの話し相手になってもらったりと結局たくさんの面で頼りにさせてもらっています。職場で訪問看護指示書はよく書いていますし、退院前カンファレンスは数え切れないほどやっていますので訪問看護師さんは知っていました。けれどこんなに育児のアドバイスもしてくれて、ゴミ捨てや買い物の間様子を見ておいてくれて、なんならママが食事をとったり、休養を取るように促したりと本当に息子にとって必須というより我が家にとって必須の存在です。

我が家が契約しているステーションは

  • バイタル測定
  • 入浴介助 (お風呂で遊んでくれるかつお風呂の片付け)
  • 気管カニューレのバンド交換と気管孔ケア
  • 食事介助
  • 歯磨き
  • 寝かしつけ
  • 吸痰
  • おむつ変え
  • コンフォートカフ
  • 吸入
  • 育児のアドバイス
  • 医療ケアのアドバイス・体調不良時の対応
  • 医療物品のアドバイス (吸引、バッテリー、モニターだけでなく、呼吸器による暑さ対策グッズやなぜ家では病院と違うのかなど)
  • 外出同伴・一緒に公園へ・ベランダでビニールプール(これは指示書の内容によります)
  • ソーシャルワーク 災害時個別支援計画の作成、発達支援の情報提供、母子通所の情報提供
  • (レスパイト)

などなどしてくれます。すごくないですか。我が家は利用していませんが、発達支援施設への送り出しやお迎えもしてくれるところもあるようです。なんなら点滴もしてくれるはずです。酸素投与、浣腸、ストマ管理やドレーンのケアもしてくれるはずです。使ったことはないですが、困った時の24時間電話対応もしてくれます。もちろん体調悪くてもきてくれます。乳幼児医療証が都内はあるので負担金は0です。レスパイトは区の事業なので別です。レスパイト対応の事業所ですと、訪問看護とレスパイトをひっつけて継続して介入してもらうこともできます。

訪問看護師さんが来ている間に私は

  • 仕事
  • 家事 ゴミ捨て・買い物など短時間ですが外出もしています。掃除・洗濯・食事の準備などももちろんです。
  • お出かけの準備・片付け
  • 自分の食事
  • 休憩・昼寝

をしています。

一番大切な気管切開に水をかけないように入浴する時のアレンジシャワーハットの作成もしてくれました。これ本当に便利なので今度共有します。療育もベビーサインや、子供と遊ぶのにどうしたらいいかとか、なかなか言葉の出ないおけにどう声かけしたらいいかとかも含めてです。父の日や母の日に創作をしてくれたり、髪を切ったり、食事の工夫なども一緒に考えてくれたり。どこどこに新しく発達支援できるらしいですとか。あそこの発達支援評判いいですとか。嚥下の講義を受けたのでとその内容を教えてくれたり。そして何よりとても献身的におけに接してくれるんです。

本当に我が家は恵まれていると思います。

おけに何が必要で大事かもわかって、我が家が何を求めているかも理解して、そして何よりおけにすごく愛情を持って接してくれています。

一ヶ所のステーションはスタッフが持ち回りで介入してくれてもう一つは特に時間調整などない限りは一人の方がきてくれます。持ち回りのステーションもいつもおけの情報を共有してくれてそして、急な時間調整やレスパイトも対応してくれます(神)

一人がつきっきりっできてくれるところは。。。。これが書きたくて書いた記事ですが、担当の方は医者生活8年間で出会った中で最も優秀でモチベーションの高い素敵な看護師さんです。ママより4−5歳年下の若い看護師さんです。年下ですが(というのも変ですが)なんなら医療者として尊敬しています。まあ、その方が今度地元に帰ると言うことで今のステーションをやめるとのことです。。。。本当に悲しくてこれを書きました。おけちゃんの成長を見せたかったです。仕方ないですが。保育園に落ちた時、ママが試験勉強に追われている時、仕事の仕方を変えなくちゃいけなくなった時、話を聞いてくれたり。。こんな献身的で一生懸命な看護師さんいるんだと驚いたほどです。まあ、でも、本当に我が家からすると残念で寂しいことですが新しい門出なので。うん。笑顔で送り出そうと(医療従事者と利用者の関係ではありますが)思います。何がお礼をしたいのですが、まだ思いついていません。もう少しだけ時間があるので検討したいと思います。。

  • この記事を書いた人

おkら

呼吸器内科医。産後育休を取らずに仕事復帰したものの1歳を過ぎたころダウン症の息子に在宅人工呼吸器が必要になり保育園退園→介護休業→介護休業使い切り退職→研究職。いつか臨床に復帰したい。今の目標は息子に色々な経験をさせること。

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