第5波が落ち着いてきましたが、第6波はいつ来るのでしょうか。
ワクチンのブースター接種が話題になっていますが、妊婦に関してはどうなのでしょうか。私は医療従事者ですので2021年の春先に2回接種を受けています。そしてそろそろ中和抗体の減少を認める8か月がたとうとしています。しかし3回目のブースター接種を受けた妊婦に関しての報告はほとんどなく、受けた場合メリットが大きいのかデメリットが大きいのかは現状、エビデンスが蓄積されていない状況です。
現時点でブースター接種が誰を対象に行われるかはわかりませんが、接種対象となった際にどのように判断したらいいか、今わかっていることをふまえまとめてみます。
通常の2回接種と妊婦については下記記事参照ください。
現段階でブースター接種に関連してワクチンに関して分かっている事のポイントは3つ
- ①中和抗体はおおよそ8か月を目安に減少する。それに伴い感染予防効果が減少するが重症化抑制効果は持続する。
- ②60歳以上の高齢者ではブースター接種で感染予防効果が増強するだけでなく重症化も抑制する可能性がある。
- ③副反応は接種2回目と同様
また妊婦における新型コロナに関して分かっていることは
- ①胎児の催奇形性の頻度増増加の報告はない
- ②妊婦は重症化ハイリスクである 新型コロナは妊婦では同年齢の妊娠していない女性と比べICUに入る確率が3倍、人工呼吸器装着が2.9倍、死亡する確率が1.7倍である
実臨床において、妊婦のコロナ感染症を受け入れている病院で私は妊婦検診を受けています。そこの先生にも相談しました。
するとその先生は、「3回目接種を勧める」でした。理由は「妊婦は明らかに急激に重症化することが多く、重篤であり母体の安全のために早産になってしまうが妊娠継続不能として赤ちゃんを出すことも1件ではなかった、感染しない事が大切」との事でした。
現在実際妊婦に3回目ワクチンを打った大規模研究はなく確固たるエビデンスがない状況ですが、上記すべて合わせて私は3回目接種の機会があった場合、私は妊娠中でもコロナワクチンのブースター接種を受けようと思っています。
繰り返しますが、これはエビデンスが蓄積されていない話なので、皆様が同様の状況になった場合必ず主治医や信頼のできる医師と相談の上判断なさってください。また2021年秋の段階でエビデンスがないだけで以後論拠となる研究報告が出るかもしれませんので必ず最新の記事を参照してください。
また日本語で読むのであれば、厚生労働省の新型コロナワクチンQandAがCDCの見解やACOGの見解もまとめて記載してあり、最もわかりやすいのではないかなと思います。