ダウン症の急性退行や老化、認知症について何か予防ができないかと先日より調べています。本当はできれば神経内科医の意見も聞いてみたいところですが、まずは自分で調べてみようと思います。今日は第2段としてアルツハイマー型認知症とダウン症の関係に関して調べていました。
アルツハイマー型認知症がどういう機序で起こっておりまたどうしてダウン症と合併しやすいか、およびダウン症にと合併するアルツハイマー型認知症の一般的なアルツハイマー型認知症と相違点について書いてある論文を読んでみました。以下抜粋です。
『米国では、推定によると、ダウン症(DS)の患者は25万人から40万人であり、ほぼ全員が30代からアルツハイマー病(AD)の病状を発症します。 現在の寿命は55年から60年で、約70%が認知症を発症し、過去30年で平均余命が倍になっており、このように伸び続けると、それに伴ってADを発症する人の数も増えます。 早期発症型(若年性=65歳未満)のアルツハイマー型の認知症患者でダウン症は最大派閥になっている。
ダウン症の死後の検査では、AD脳との病理学的類似点と相違点がわかった。 アミロイド-β(Aβ)タンパク質は、ADとDSで共に脳の細胞外と血管壁に沈着するが、Aβは非DSと比較してDSでは数十年早く沈着する。 3歳から73歳までの29人のDSを対象とした研究では、Aβ沈着はDS患者では早いと12歳で見られ、以後31歳は大きく変化なかった。 特殊な画像検査で、アミロイドの早期蓄積は前頭線条体パターンであった。別の検査でも側頭葉ではなく前頭葉におけるアミロイドの早期蓄積を報告した。ADとDS + ADのではアミロイドが沈着する部位が特に早期では違う可能性がある。
50年以上前にDSは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の遺伝子を含む、数百の遺伝子を含む21番染色体のトリソミーに起因するとわかった。 APP遺伝子のコピーの増加は、脳アミロイド血管症(CAA)を伴う早期発症ADを引き起こす。 DSを有するが部分的なトリソミー21(APPおよび他のいくつかの遺伝子を欠いている、モザイク型DSのこと)のみを有する78歳の人では、剖検時に認知症またはAD病理像はなく、APPがDS + ADで役割を果たすことを支持している。』
結局なにかというとダウン症における認知症もアミロイドβが沈着して脳の機能を障害しており、やはりアルツハイマー型である(レビー小体型や脳血管性や正常圧水頭症やクロイツフェルトヤコブ病や進行性核上性麻痺など他にも色々原因となるものはあります)、しかし典型的なアルツハイマー型認知症よりも早期からアミロイドβが蓄積する傾向があること、蓄積部位が違う可能性があること、またこのアミロイドβの前駆物質が21番染色体に起因するため単純計算で一般的に2本の染色体から生成されるところが3本から生産されるためたくさん生産されている可能性があるということでした。
やや堅苦しい内容ですが、今日調べたところではこんな感じでした。
参照)Down syndrome and Alzheimer's disease: Common pathways, common goals Alzheimers Dement. 2015 Jun;11(6):700-9.