あまり医者っぽい事を書いてなかったので久しぶりにこう言う話題にしてみます。
良く何か症状があって医者に行くと経過観察しましょう、様子をみましょうと言われることがあると思います。
他にも、検査してちょっと何か気になる所見があってじゃあどうするかと言うと経過観察です。
皮疹が出ました。でも発熱ありません。特に痒がったら嫌がったりすること無く機嫌もいいです。食欲もあります。そうしたら皮疹は経過観察しましょう。
熱が出ました。咳も出ています。喉を痛がっています。じゃあ薬を出しますので飲んで経過観察してください。
ちょっと酸素化が悪いです。特に検査は問題ないですが、一応経過観察入院しましょう。
CTで肺に影が写っていますが経過観察しましょう。1ヶ月後に再検査です。
こんな感じですかね。
え?何もしてくれないの?とか観察するだけ?様子見るだけ?って思ったことありません?
大体2つの意味があると思います。
①病気の経過を見ることで診断する。
②治療の効果あるか見る。悪くなっていないか見る。
皮疹が大きくなるのか、皮疹が全身に広がってくるのか、水泡が出来てくるのか、発熱を合併するのか、はたまたすっとよくなるのか。この辺までわかれば皮疹の性状や背景因子(年齢、性別、既往、環境など)を踏まえて診断できることが多いです。
腫瘍なんかは明らかに癌という癌で有ればわかりますが、良性のものや肺炎の瘢痕との区別がつかないこともあります。そうすると経過を見てもう一度画像を撮り、時系列にならべて、大きくなってきていると癌の可能性が高い、と判断したりします。
肺炎です。(一番効果があると思われる)抗生剤を出します。経過観察します(直らなければ一般的な肺炎でない可能性があり、検査を追加したり、違う抗生剤を出します)。直れば治療終了です。
昨日今日ではわからないこともあり感染症で有れば数日、腫瘍などで有れば月単位での経過観察をすることもあります。おけの気管軟化症は年単位での経過観察です。
私たちはすごくたくさん経過観察という言葉を使います。カルテにもfollowとかF/Uとか書いている人が多いです。経過観察しましょうというのは特に何もしていないわけではないんです、経過を見て評価しています。医療にはとても大事なことですということをお伝えしてしたくて書いてみました。