今日ツイッターのタイムラインで流れてきた情報ですが、『医療的ケアが必要な障害児に関わる報酬・基準について』厚生労働省の障害保健福祉部が検討会を行ったようです。
医療的ケア児の判定基準確立のための基準確立のための研究におけのかかりつけ医も関わっていましたのでしっかり読んでみました。簡略化して書いています。
まず、非重症心身障害児の医療ケア児について、安全に家族の負担を少なく、医療・福祉サービスを受けれる単位を判断することを目的とした検討がなされていました。
重症心身障害児というのは大島分類の1-4点なので、基本的に歩行障害とは判断されない段階なので、非重症心身障害児というのは座位以上と言うことでしょう。
単位の判断というのは、つまり、ケアや処置などそれぞれにどんな値段をつけるかということです。値段がついていない部分はボランティアかできませんとなっていた訳です。そこに値段をつけることで、対価が支払われ経営がうまく行ったり、そのための物品や人材が確保できるというわけです。医療費でいうと点数で、1点10円となります。福祉における単位とは単位×8.5-10円×事業所が所在する地域区分に応じた割合です。地域区分に応じた割合といっても高くて1.16倍低いと1倍なのでほぼそのままです。私が知っているのなんてほんのちょっとですが結構無茶苦茶な単位がついていたりします。児童発達支援では送迎加算が重心だと片道37単位です。つまり大体370円です。往復1時間ほど、看護師同乗・もう一人運転手必要で、特殊な介護用の車での送迎で片道370円。介護タクシーだと、看護師同乗なしで4000-5000円すると思います。人件費と車の維持費だけでも赤字でしょう。そしてたん吸引の有無で非重心は違ってきますが、54単位と91単位です。意味がわかりません。だって動く非重心のたんの吸引は確かに重心の子よりも大変かもしれませんが、車内ではベビーカー(バギー)又はベビーシート(チャイルドシート)のはずです。たん吸引の有無で単位が変わるのはいいですがこの重心か非重心で倍以上違うと。いや、本当動く医療ケア児も大変ですが、乗降者の大変さとか、車内の占有面積とかは重心だと思います。。。児童発達支援給付金は重心が2088単位で、非重心が827単位です。これまた倍近く違いますが、デイで占有面積がたくさんいるのは動く子でしょうし、逆じゃないかなと思います。
で、話はそれましたが単位は値段です。でこの辺も踏まえて看護師加配加算のための医療ケアスコアの見直しをしますとのことでした。
医療ケアスコアで変わったのは人工呼吸器、酸素療法、吸引、ネブライザーの使用、経管栄養のスコアが上がったのとそれぞれのケアごとに見守りスコアがさらにつくことになったようです。見守りスコアもつくわ、経管栄養以外の医療ケアは当てはまるわでうちの息子の医療ケアスコアは軒並み上昇です。ま、こんなふうに大島分類を使い続けず、適切な加算をつけてもらい、そしてうちの近所にも児童発達支援事業所ができるといいなと思いました。
強いていうと、地域区分ももう少し細かく見直すべきではないかと思います。
又個人的な感想ですが、非重症心身障害児の医療ケア児について、安全に家族の負担を少なく、医療・福祉サービスを受けれる単位を判断することを目的とした検討として実際に行った検討の方法が面白いなと思いました。以下読まなくて大丈夫です。
介護者の「指示を守れる児」と「守れない児」の群にわけて、運動機能レベル別の医療的ケアの時間について検討した
→運動機能レベルが座位未満の群においては、介護者からの指示を守れるかどうかによって、医療的ケアに要する時間に(有意な)差は認められなかった。座位以上の群では「指示を守れる児」に対して「指示を守れない児」は医療ケアに要する時間は1.7倍になった。同様に負担度(アンケート)は1.6倍になった。
とのことでした。道理でーーー。座位がなんとかだった退院したてよりも、今(伝い歩きすいすい)はえらく吸引が大変なんです。まあ、もともと吸引は新しい技術ではなかったので(注:私は呼吸器内科医です)最初がすごい上手だったんですけどね、とかいってみますが笑 タイム測っとけばよかったなと思ったのと。“手技の大変さ“を時間でカウントするだとか、運動レベルを層別化因子にする、指示動作に従えるかで2群に分けるなど、なかなかほうほうと思いました。賢い!!!!アンケートだけだとあまり説得性がないですからね。
勉強になりました。
と話は脱線しましたが、国がきちんとした値段設定をしないとダメと分かって動いているんだなとちょっと安心しました。厚労省大臣コロナで大変だと思いますが何卒。。