愛の手帳は知的障害の程度を判定し、支援や療育を受けたりするときの指標にするものです。他の地域では療育手帳といわれているように療育を受ける時にこれがあると速やかです。この点が最も重要な役割と思いますが、そのほかにも色々あります。(ここでは小児を対象に記載しています。)
等級次第ではありますが、受給者証や支援学校への入学を希望する場合などに、あらかじめ愛の手帳を持っていると判定が早いなどのメリットがあります。基本的に受給者証は手帳がなくてももらえるとなっていますが、もっていないと実際はなかなか受給者証がおりずに受けさせたいと思っても子供に療育を受けさせられない地域もあるようです。
分類としては1度(最重度)2度(重度)3度(中度)4度(軽度)と数が大きくなるほど障害の程度は軽いです。
手当
〇公共交通機関の運賃割引(本人及び付き添い人:1-2度と3度に身体障害者手帳の1-3級、本人のみ:3-4度)
〇テーマパーク・動物園などの割引(たいていは手帳を持っていれば程度は問われない)
〇行政からの手当て
特別児童扶養手当(国、1-3度)
障害児扶養手当(国、1-2度)
重度心身障害者手当(都、1-2度)
心身障害者福祉手当(区、地域によるがたいてい1-3度)
日常生活用具購入費の給付
福祉タクシー券
紙おむつの支給・おむつ代の助成
等が代表的です。
支援
〇受給者証の交付
受給者証でできる事:児童発達支援事業所の利用、移動介助、居宅介助、保育所等訪問支援、障害児相談支援
〇保育園の利用調整の優先順位への考慮
就業・就学の際の参考(障害者枠での就業が可能、支援学校への入学が可能など)
等があります。その他も重度であるほど支援は多くなります。
かなりたくさんありますが、お住まいの地域により詳細は異なります。
たいていは区役所の障害課で障害者のための支援の冊子がもらえると思うのでご参照ください。
さて、この愛の手帳どうやって取得するかというと、
基本的には集団検診や主治医の指示で取りに行くことが多いです。しかし、決して親の判断で判定を受けに行ってもダメではありません。
また主治医がいる人は、小児の専門医であれば意見書を書いてもらい判定の時間を減らすことはできますが、まあまあの熟練の小児科医でも疑義照会がきて結局再検査になる事もありますので、主治医が自ら意見書を書きますという方でない限りは判定場所で判断を受ける方が二度手間にならないかなと思います。
その判定場所というのは児童相談所です。
ちなみに身体障害者手帳というのはその対象疾患に対する身体障害の判定記載のできる医師の診断書をもって、区役所(市役所)に申請です。小児慢性特定疾患申請は同様に資格のある医師の診断書をもって保健所へ申請、愛の手帳は児童相談所で実際に判定を受けて受領です。なんでこんなに管轄が違うのか…という気分になりますね。しかも区役所、保健所はたいてい地域に根差した位置にありますが、児童相談所は…我が家は行くのに1時間半ほどかかります。
取得の手順
①該当地域の担当児童相談所に電話する。お問い合わせ(所在地・電話番号・FAX番号) 東京都福祉保健局 (tokyo.lg.jp)
②成育歴など、子供の情報を細かく聴取される(新規だと30分程度、電話)
③判定を受ける日程を決める。②と同時に電話口で決めますが、2か月分しか受け付けていないので希望の日程を取りたい場合は毎月1日の9時に合わせて電話で予約を取る必要があります。毎月1日の9時に翌月の検査枠が取得可能になります。
④実際に児童相談所で面接。簡単な聴取の後、個室でいろいろな実技検査をします。
⑤小児神経科医師の診察
⑥判定結果を聞く。その日はこれで終了。④-⑥で計2時間半ほどと言われます。
⑦後日(約1か月後)郵送で愛の手帳(現在はカードタイプもあります)が届く。
ちなみに現在は手帳タイプとカードタイプが選べますが、カードタイプは令和とは思えない驚きの写真が白黒です。
持ち物
(更新の場合)現在の愛の手帳
母子手帳
写真 縦4㎝×横3㎝ 脱帽、正面
印鑑
付添人(保護者)の身分証明書
また更新は3歳時、6歳時、12歳時、18歳時ですが特に有効期限があるわけではなく、行政側からお知らせが来るわけでもないので、自分で更新しに行く必要があります。やや反則ではありますが、等級が下がると日常生活に不利益が生じる場合は更新していない方もいます。しかし、就学相談などでは最新の判定をもらってきて欲しいと言われたりする事もあります。ちなみに我が家は3歳の更新のための判定を3歳1か月で受けに行きますが、4歳になるまで位はいつでもいいよ、なんなら多少遅れても大丈夫というスタンスの様です。
初めて愛の手帳を取りに行った時のお話↓