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保育所等訪問支援の対象・申請方法と実際

うちの子は発達障害・知的障害があります。ダウン症です。また医療的ケア児です。

以前保育園に通っていた際には保育所等訪問支援を知らずに利用できるのに利用していませんでした。今思うと利用しておけば、もう少し息子が“ただ親の仕事の時間何とか生きている”というだけでなく、もっと楽しく快適に過ごせたのではないかととても後悔しています。今、医療的ケア児として新たに保育園に通い始めとても有益な支援だと思っています。周囲の方にもお話すると、利用できる方でも知らない事があります。私と同じような後悔をして欲しくないので紹介しようと思います。

保育所等訪問支援は児童指導員や保育士、作業療法士などのリハ職員、心理担当職員などが障害のある子どもが保育所や幼稚園、認定こども 園、学校、放課後児童クラブなど普段通所している場所で障害のない子供たちとの集団適応を支援するサービスです。

つまり発達支援など障害のある子どもに個別に適応させた療育の場ではなく、地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進するものです。

目標

①保育所等においては障害のある子どもの受入れを促進していくこと、②障害児通園施設等に通っていた子どもが円滑に保育所等 に通えるようにすること。

対象

障害児:保育所等の施設に通う、集団での生活や適応に専門的支援が必要である子ども。

対象児は、集団生活で不適応がすでに生じている場合だけでなく、おそれがあるという見込みでもOK

「障害児」の認定に医学的診断や障害者手帳の有無は関係ない

支援の場 

保育所や幼稚園、認定こども園、小学校、放課後児童クラブなど

支援者 

児童指導員や保育士、作業療法士などのリハ職員、心理担当職員、看護師など

申請者

対象児の保護者 保育所等だけからの申請は不可です

申請場所  

障害者市町村の窓口、障害児相談支援業者を介して保育所等訪問支援事業所に申し込む 

もともと療育を受けている場合はその窓口(障害福祉課や発達支援センター、ケアマネ、医療的ケア児コーディネーター)に聞いてみてください。

頻度 2週に1回 2時間から半日が目安

まとめると、

保育園や小学校などで(支援級でも加配ついていても使えます)子供が集団生活に困ったとき、発達支援センターや療育の分野の専門家が、障害児保育や療育・児とのかかわり方ついて、障害児の専門でない保育士さんや先生たちに定期的にアドバイスをくれる制度です。そもそも加配の保育士さんがついていたり、支援級であったりしても使えます。

ちなみに現在の我が家は変わった使用の仕方なのですが使用例を提示しますと

もともと

児童発達支援センターを利用して療育を受けています。

医療的ケアがあるので訪問看護師さん、担当の医療的ケア児コーディネーターさんがいます。

訪問看護ステーションが保育所等訪問支援事業所でもあります(これはたまたま)。

保育園に入園したばかりで加配の看護師さんはいるものの集団の中でのケアや動く医療的ケア児のケアはどのようにしたらいいのか未経験であり、息子の様子を見ての臨機応変の対応について随時指導してもらうために医療的ケア児専門の看護師の保育所等訪問支援を申請しました。特に誰にも勧められたわけではないので(保育園はどういう制度かは知らなかったようです)、親が直接医療的ケア児コーディネーターさんにお願いし受給者証に追記してもらいました。

我が家の現在の使い方は医療的ケアの導入としてです。

今は最初なので例外的に週に1回、3時間程度の介入で保育士さんや看護師さんへ息子への接し方や医療ケアの仕方などの確認をしてもらっています。公園への散歩へもついて行ってもらっています。食事の際の介助の仕方も確認してもらっています。物品の保管方法や、実際の主義の確認、例えばモニター音がほかの子の昼寝の邪魔になっていないかなども確認して調整してもらっています。時々我が家にも訪問看護師として訪問してくれますし、園での息子の様子などの報告をしてくれます。また、医療ケア指示書に関して、主治医への受診にも同席してくれています。

介入してもらっている感想としては、慣らし保育を終えた後の息子の実際の様子や変化、保育士さんや看護師さんの困りごとなどを一度でなく定期的に教えてもらえるのが大変ありがたいです。

また医療的ケア児になる前に本当は利用していなかった事を後悔しています。

その理由としては、あまり自発的ミルクやおむつなど訴えることがないから泣かないでも促したり確認するようにとか、感染に弱い事の周知やダウン症の発達について、PT的なかかわり方(当時はお座りできなかったので、目線を上げるようなものの置き方をするなど)などを指導してもらいたかった思うからです。以前の園は、息子は何も主張しないから最低限のかかわりであとはほったらかしといったような様子でした。長期入院を要し、なかば会話もないままの退園でしたがそれでも聞くとやはり保育園も関わり方をどうしたらいいか悩んで困っていたようでした。

もしも、園でほったらかされている気がするとか、子どもへのコミュニケーションがうまくいっていない、療育に比べ園の方が子どもにストレスがかかっているようだ、医療的ケアがあって困っているなどあれば保育所等訪問支援をお願いしてもいいのかと思います。

  • この記事を書いた人

おkら

呼吸器内科医。産後育休を取らずに仕事復帰したものの1歳を過ぎたころダウン症の息子に在宅人工呼吸器が必要になり保育園退園→介護休業→介護休業使い切り退職→研究職。いつか臨床に復帰したい。今の目標は息子に色々な経験をさせること。

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