公益財団法人日本ダウン症協会の代表理事である玉井邦夫先生の講演会の記事を読む機会がありました。この方の著書をもっと本格的に読んでみたいなと思い「本当はあまり知られていないダウン症のはなし」を読んでみました。
かなりはっとさせられることが多かったです。家族にダウン症の方がいる人だけでなく、ダウン症とかかわりのある方皆さんに読んでほしいなと思える本でした。語彙力がないのであまり本についてレビューをすることはないのですが、今回は少し感想を書いてみたいと思います。
「21番染色体が3倍体になると、なぜあのような症状になるのかということは誰も教えてくれません。」
「(ダウン症はよく天使という言葉をつかわれますが)天使という言葉をダウン症の代名詞に使ってほしくありません。実際、どこが天使か⁉と思うようなことが毎日繰り返されます。急げといえば遅くなりますし、こちらの気持ちをよく読んでいます。非常に人間的です。ですから、天使というふうに画一的にカテゴライズしてしまうのはよくないと思っています」よくダウン症はにこにこしていて人当りもよく天使みたい。と言われます。息子のおけも天使ちゃんだもんねとか言われたこともありますが、それは大変上から息子を評価してくるなと不快に思いました。「(知的には一般児に劣るけど)性格が(ダウン症の子はみんな)優しいから(一般児よりも)いいところもあるよね」といった感じに聞こえて、何というかダウン症に理解ある支援者だわ私って感じです。素直にどこが天使⁉と明言する玉井先生は実際に親としてダウン症の方を育て、医師としてダウン症にかかわってきたからこその愛があふれているように感じます。よさげに言うことが愛情とかその人たちに対する親しみとかじゃないよと思います。
また最後の項で出生前診断について触れられていますが、「そもそも、生まれてくる価値とは何なんでしょうか。遺伝子的に異常があるというのはあってはならないことでしょうか。本当にいけないものなら、とっくに淘汰されているようなきがします。中略人類という種が遺伝的な多様性を保つために必要で何か環境の激変があったときのために遺伝子が準備をしているのではないか、というふうに考えざるをえません。」とありました。出生前診断を次の子に対して行うか(またそれに伴う中絶を行うか)に関しては私たち夫婦の中で決断ができていません。そして、実際小児科の先生ですら、どちらでも間違いではないとおっしゃります。そんな中、実際に多数ダウン症や染色体異常の方と触れ合っている先生が、そして表面上のよさげな表現を好まない先生がこうおっしゃっていることにとても尊敬の念を抱きました。私はこのように感じましたが皆様はどう感じるでしょうか。
読んだ感想なども万が一教えてもらえるならうれしいです。