嚥下機能障害

それでも飲み込めない

昨日の続きです。

まずおけは③口腔期:咀嚼された食塊を咽頭に送り込むまで(随意的)がうまくいきません。なぜうまくいかない②③④の中で③から行くかというと②の咀嚼はしないで済むような食品から食べ始めているからです。また最初はスプーンで口の中に送り込んでいるからです。

口の中に置かれたトロミのついたある程度まとまりのあるものを飲み込む練習から始まりました。トロミつきのミキサーがゆが最適でした。おけは入院中に開始しましたが、家では普通に炊いたご飯に1から1.5倍程度の水とスベラカーゼを入れてハンドブレンダーに1分ほどかけ滑らかになったものを鍋に入れて一度沸騰させたら出来上がりです。これをやや平べったいスプーンに乗せて(平べったいのでとろみがついてないとほとんどすくえないです)下の前歯に置く、そうして上の口唇を閉じて取り込んでもらって(ここは②ですね)そうしてそのまま口唇を閉じてごっくんです。ここの口を閉じてが全くできてなかったです。約半年。口を開けて飲み込んでいました。これは自分でもやってみましたがまあ上手く飲み込めないですね。この時補助にを補助する人の指で舌骨を押し上げて嚥下を促しつつ人差し指で下口唇を閉じさせる。と言うような補助をしました。甲状腺軟骨にも指を当ててしっかり嚥下できたことを確認するのも大事なようですが、これは補助が難しくできませんでした。。。注意することは食物が中に入っている時に『体を反らして泣く』です。これは誤嚥しますので気を付けます。本当にスベラカーゼ粥がすごい優秀でした。おかゆがつるんとします。粥以外にも使えます。

また②の訓練としては手指で口唇周囲を掴んだり押し上げたり下げたりすることで口輪筋の(文字通り口の周りの筋肉)走行に対して垂直・水平方向へ筋肉を他動的に伸展・収縮させることを行います。まあ難しいことを言わずに口の周りをかわいいねーとかいいながらフニフニすれば良いだけです。なにこれ筋トレになるの?って感じですが、わりと効きます。

と言うわけでこの辺の訓練って多分、母乳を吸い取ったり、哺乳瓶の乳首を吸う動きからの派生だと思うんですが、後から考えると息が苦しくて連続でミルクが飲めなかっただけなのにあまりミルクが進まないなと諦めて離乳食を始めてしまいました。さらにほとんどしなかったおしゃぶりですが本当はこれも口唇を鍛えるのにはよかったのかなって思います。気管切開をしたのちは声門下圧の低下もあって哺乳瓶でのミルクはとろみがつけれないとのことでやめました。そのためそこからは水分は食事以外は全部アイソトニックゼリーでとっています。

もしもう一度育てるならば今度はあまり急いで離乳食は開始しないようにしたいなと思います。

理学療法と嚥下機能訓練から発達のそれぞれの段階をきちんと踏むことが最終的な機能を獲得するのに本当に大事だと実感しています。

  • この記事を書いた人

おkら

呼吸器内科医。産後育休を取らずに仕事復帰したものの1歳を過ぎたころダウン症の息子に在宅人工呼吸器が必要になり保育園退園→介護休業→介護休業使い切り退職→研究職。いつか臨床に復帰したい。今の目標は息子に色々な経験をさせること。

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