救急車を呼んだことはありますか?
もちろん救急車を呼ぶような事態に遭遇しないにこしたことはありません。けれど小さい子供がいたり、ましてや我が家のような医療的ケア児がいたりするといざという時、迷わず救急車を呼ばないといけません。
さてそんな緊急事態の時焦ってしまうのは当たり前です。しかしすぐに病院に運んでほしい時救急隊に正確に子供の状態を伝える必要があります。特に医療的ケア児は病態が病名だけでは救急隊には伝わりにくく、とっさの時混乱してしまい伝わらない可能性があります。
そういった事態にならないよう、ここで伝えるポイントをご紹介します。
まず、うちの長男で解説します。
風邪をひいて息が苦しそうといった場合を想定します。
「3歳男の子、ダウン症です。息が苦しそうです。気管軟化症で気管切開をしており、人工呼吸器を持っています。かかりつけは○○病院で、いざというときは○○病院に運んでもらうよう言われています。」以上です。これだけ。そのあと住所を伝えて来てもらいます。
短くないですか?
①誰 3歳男の子 これだけでいいです。まずは名前は不要です。
②主訴 主症状です。これはわかりやすく、「けいれんがとまらない」「(モニターなどで値がわかれば)酸素の値が低い」「顔色がまっさお」「息苦しそう」「意識がぼんやりしている」「下血がとまらない」「血を吐いた」など一言で伝えられる表現がいいです。経過を全部伝える必要はないです。
※「息をしていない」「おぼれた」などはここまででもう住所を言ってきてもらう方がいいです。
③既往・持病 「てんかんで薬を飲んでいます」「心疾患で手術をしました」「喘息でよく発作を起こします」「さらさらの薬を飲んでいます」「そばアレルギーがあります」など症状に関係のある既往だけで大丈夫です。
つまり、例えばうちの息子の咳が止まらない時に、「気管切開をしている」「エビアレルギーがある」は大事な情報ですが、「便秘症で緩下剤を毎日飲んでいる」という情報は不要です。
「嘔吐が続いてぐったりしている」に「便秘症で緩下剤を飲んでる」「お腹の手術をした」は大事ですが、「肺炎やグループで入院したことがある」は不要です。
④こういう状態になったときかかりつけでどう言われているかを伝える。「咳が止まらない時は救急車で病院に来る様言われています」
つまり救急隊はとっさの時詳細な病態重症度はわかりませんので医療者にこのように指示されていると伝えるとスムーズです。
ここまで伝えると救急隊の人もすぐに来てくれて、バイタルなどを測り病院への搬送がスムーズになります。ありえそうな症状で一度練習しておくと安心だと思います。(うちの子ですと咳が止まらない)
もちろん少し状態の余裕があるときは救急隊から追加の質問があると思いますのでそれにはお返事してください。
どのくらい続いていますか?やいつもと比べてひどいですか?ぐったりしていますか?みたいな質問があると思います。
また、救急要請時にもう一つ重要なのが、住所の伝え方です。
住所を伝え、そのあとに「○○の向かいのマンションです」や「エレベーターが入って右手にあります」などは速やかに訪問してもらうための重要な連絡事項です。
あらかじめ確認しておきましょう。また、咄嗟の時のために言う事を書いてさっと見られる所に貼っておくといいかもしれません。我が家は居宅で預かりもしてもらうのでその際に看護師さんが住所などわかる様に紙に書いてリビングに貼っています。