また一説にはつわりのおかげで赤ちゃんが賢くなるとも考えているようです。妊娠期にひどい吐き気に悩まされたり、実際に嘔吐したりした母親の子どものその後を調査したところ学齢期に達したときには、その21%が標準的な知能検査でIQ130以上であった。一方、母親につわりがなかった場合、高い知能指数をもつ子どもは7%であった。
この結果から、原因について妊婦に吐き気をもよおさせる2種類のホルモンが、発達中の胎児の脳の神経に優位な役割をはたしており。母親が嘔吐すればするほど、そのホルモンが分泌される。その結果、子どものIQが高くなるという仮説を立てたとのことです。嘔吐すればするほど嘔気を促すホルモンが分泌されるというロジックの意味わかりませんが。(これは事実かどうかは別として論理的でない考察ですね)
期間
つわりは妊娠5~6週頃から始まり、ピークは10~12週で、胎盤が完成する16週頃までには治まることが多いです。(私は妊娠100日目15週ごろに今日は吐かなかったなと思ったのを覚えています)
対処法
さて肝心の対処法です。まず、現代ではなく江戸時代のつわり事情から調べてみました。(妊婦さんで現在つわりに苦しんでいて対処方のみ下さいとい方はこちら)
なんで江戸時代とかっていうと平民は無理としても大奥っていう妊婦大事な場所があったからつわりの記録が残っているのかなと思ったわけです。将軍の正室は「御不例」として、側室の場合も「病気」と称して自分の部屋に引きこもっていたようです。
やはりつわりでつらかったのでしょうか。平民は妊娠しても変わらず働いていたようで川柳が残っていてそれによると、つわりがあっても味噌汁と漬物を頑張って食べたとか。何とか梅を食べてしのいだみたいなことが書いてありました。
さてだからなんだと、何もつわりに苦しむ妊婦さんの役に立てていません。そもそもここまで症状つらいのに(今では抗がん剤の制吐薬なんかめちゃくちゃ一杯あって、昔みたいに病棟でげーげーしている人なんかほとんどいないのに、妊婦はもうげーげー祭りです)なんでこんなに江戸時代でコーランなのか。これは治療法の開発治験に携わる人がほぼ男性であるがために積極的に興味を持たれず、研究がなされていないのではないかと私は常々疑っています。賢い人たちがもっと対処するべきものともっと思ってくれれば。。。
さて、では女性が強い海外での研究を見てみましょう。(ふつーにグローバルの研究を見るだけで、女性が強いかは関係ないです)
英語ではmorning sicknessというくらい早朝空腹時に嘔気の症状が出やすいので朝枕元にクッキーを置いておいて起きたら食べる。水分をよくとる。食べられるものを、食べられる時に、少量ずつ食べる。ストレスをためないなどが一般的に言われていることですがこんなのみーんなやっている事だと思うんです。もっと効果のあるものが知りたいですよね。
一応諸説ありますが、
調べてみました
①ショウガ
,1日あたり1gの経口生姜で生姜群の32人中28人が、プラセボ群の35人中10人と比較して、悪心症状の改善を示す(P <.001)(Obstetrics & Gynecology 2001;97(4):577-582)
妊娠16週未満に3週間毎日1.05gの生姜または75mgのビタミンB6を摂取し,ビタミンB6と効果は同等であった(Obstetrics & Gynecology 2004;103(4):639-645,Obstetrics & Gynecology 2005;105(4):849-856,)ショウガ1g /日またはビタミンB640mg /日を4日間摂取生姜は、吐き気の重症度を和らげるためにビタミンB6よりも効果的であり、妊娠初期の嘔吐エピソードの数を減らすためにも同様に効果的(Midwifery 2009;25(6):649-653)
②ビタミン
ビタメジン(B1,B6,B12)+タチオン・・・点滴で投与が多い
ビタミンB6(商品名:ピドキサール)・・・サプリメントもある
③制吐薬
N Engl J Med. 2009;360:2528–35、JAMA. 2013;310(15):1601–11.
メトクロプラミド(商品名:プリンペラン)
大規模研究で妊娠初期のメトクロプラミドの使用と先天性奇形、低出生体重、分娩様式、周産期死亡への関連は認めないと示されています。
追記
J Obstet Gynaecol Res. 2021 Feb 25. doi: 10.1111/jog.14709. Online ahead of print.
ドンペリドン
妊娠4週から13週にドンペリドン使用群519例、コントロール群(アセトアミノフェンや催奇形性が増加しないと報告のある抗ヒスタミン、ペニシリン、セファロスポリン、抗H2ブロッカーや軟膏・点眼など)1673例、メトクロプラミド群 241例を比較し生まれてくる子供の奇形に関連は示されなかったとされました。
④漢方
小半夏加茯苓湯などが、吐き気を和らげる場合がある。
正直前回の入院時は③④しか私は知らず、悪性妊娠悪阻というほどではなかったので、処方されてはいません。しかし、現状調べたところでエビデンスがあるのは①②でした。飲み方なのの詳細は論文アクセス権がなく、職場で再度調べてみようと思っています。
そんなところで本日は『つわり』についてでした。