医療的ケア 医療物品 育児

医療的ケア児の災害対策

災害時、医療ケア児である息子は医療ケアがない方々より命の危険が大きいです。準備対策を最大限にと思っています。我が家の試行錯誤している災害対策グッズに関してご紹介します。おそらく、保健所の管轄で作成する災害時支援計画では医療的ケア児はほぼみなさん、避難場所は自宅だと思います。そのため我が家は自宅籠城をポイントに災害対策グッズを準備しています。

医療ケア物品編
【吸引器】
全部我が家にあるものです。
①Qtum(電源:ACアダプター、単3電池4本)(1.9A)


②bebecure(電源:ACアダプター、シガーソケット、バッテリー)(1.5A) バッテリーは3時間稼働可


③手動吸引器 ブルークロス ハンドバルブアスピレーター HA-210 (手動)


④ベビースマイル S-303 NP ハンディ(単3電池2本)


普段から充電しておくのはもちろん、災害時も支援が受けやすい単3電池で使えるものを持っているというのが大事かなと思っています。

この4つの吸引器(+メルシーポッド)の長所短所に関してこちら

【バッテリー】
息子は気管軟化症で気管切開をしていて夜間人工呼吸器装着です。使っている医療ケア物品は①人工呼吸器、②加湿器、③吸引器、④吸入器、⑤酸素、⑥モニター、(ミキサー)です。すべて電気で稼働しているので、停電してしまうのは大変恐ろしいことです。災害が夜間であった場合や悪天候・夫の不在なども考えると、停電しても24時間は自宅に籠城できることを目標に計画を立てました。

①人工呼吸器 Philips Trilogy100plus(100-240VA)
内部バッテリー3時間+外部バッテリー3時間ですので電源なしで6時間使用可能です。それにさらにひとつ着脱式外部バッテリ-(1個5万円くらい)3時間を持っています。(外部バッテリーチャージャーは本国の方針で製造販売は現在終了しています)

②加湿器(チャンバー)Fisher&PaykelのHEALTHCARE(220VA)

③吸引器
前述したように、バッテリーまたは電池で使用可能です。

④吸入器
我が家は3台あるのですが、1台が電池(オムロン メッシュ式NE-U200)、1台が充電(PALIベーシック)可能です。吸入は15分/回を1日2回ですので問題ありません。もう1台ACアダプター(ソフィオ ジェット式ネブライザー)です。

⑤酸素濃縮器(190VA)
濃縮器はありますが、酸素ボンベが3本予備でおいてあって1L/分ですと1本6時間45分使用可能(ボンベの大きさによります)で電気は必須ではないです。

⑥モニター
充電でき6時間使用できるものと、電池で20時間使用できるポータブルモニターがあるのでこれも電気は必要ないです。

息子は大体10~12時間寝ますので加湿器さえ我慢できるのであれば、400Wh程度の蓄電器があれば何とか1日は籠城できると思い蓄電器(500Whくらい)を買いました。(追記:もともと日常生活具としては発電機だけが助成対象であった我が地域ですが蓄電器+ソーラーパネル=発電機という解釈の元、助成対象となり下記リンクのものを追加購入しました)加湿に関しては吸入をいつもより回数を多くする、部屋を加湿する、時々チャンバーに熱湯を入れる(ガスも止まっていたらだめですが)、ベビーミストを使用するで対応しようと思っています。またチャンバーは使い捨てカイロを貼って温めることもできるようです。

※蓄電器に関しては純正弦波である必要があります。もちろん呼吸器のメーカーであるPhilipsは蓄電器の使用は推奨していませんが、すべて医薬品とはそういうものです。(例えば入院中は使い捨ての吸引カテーテルも在宅では1日1本がほとんどです。吸引カテーテルメーカーは使い捨てを推奨しています)
※これも推奨されていませんが外部バッテリーはカフアシストE70と互換性があり、充電できるようです。

その他
自動車のシガーソケット+正弦波カーインバーターを使用する
発電機を使用する(そしてうちの区は発電機には助成が出ますが、ベランダで大きなファンを回すといったことが必要らしく、到底無理と思い辞めました。発電機にもガソリンタイプとカセットボンベタイプなど種類があるようです。)
という方法があります。
(そして訪問看護師さんよりさらに耳よりな情報をゲットしたので明日にでも問い合わせてさらに情報提供できればと思います。)
また、これは自宅が安全な場合に限りです。

食事編
【キューピーやさしい献立とAsahiバランス献立なめらかおかず】
このキューピーやさしい献立のおかゆとAsahiバランス献立なめらかおかずを3日分ほどストックしています。離乳食だとカロリー不足になりますのでこういう嚥下食にしています。これを選んだ理由はひとえにおいしいからです笑

【アイソトニックゼリー】
水分はとろみをつける必要があるのでそのまま飲めるこちらを常備しています。『のみや水』もコスパがいいようにおもいます。

【あずきミルクプリン】
これは入院時から食べていたもので高カロリーの補助食です。しっかりプリンの固さがあるようにも食べさせられるし、よく混ぜたらポタージュ状になる優れもので、なにせおいしい。うちの子は大好きで、普段から昼ご飯の途中で寝てしまった時などおやつに食べています。

【スプーン付きパウチ】
パンやおにぎりなどをまだ食べることができない息子はお皿とスプーンがない環境で食事は難しいです。そこで便利なのがこれです。市販のパウチ飲料・食品に取り付けて食べさせられます。何せ手が汚れないのが災害時いいかなと思っています。

もちろん色々な可能性があると思いますが、万が一息子と二人っきりで家から出ないといけない場合は
緊急順で
①息子のみ抱っこ②息子のみおんぶ③息子おんぶと吸引器④息子おんぶと吸引器+呼吸器
と思っています。
その時絶対にスニーカーを履いて出ようと思います。

以上が物品で我が家が息子に関して準備しているものです。そのほか薬を多めにとか、防寒具や手回しラジオ懐中電灯など一般的なものも一つにまとめて鞄に入れています。ただ、避難しないといけないような場合、かなり持ち出すのは難しいと思います。消耗品(吸引カテーテルや人工鼻、アルコール綿、おむつ、おしりふきなど)は職場も病院で災害時には強いと思うので職場の個人の荷物置き場にストックしています。

参考になればうれしいです。

  • この記事を書いた人

おkら

呼吸器内科医。産後育休を取らずに仕事復帰したものの1歳を過ぎたころダウン症の息子に在宅人工呼吸器が必要になり保育園退園→介護休業→介護休業使い切り退職→研究職。いつか臨床に復帰したい。今の目標は息子に色々な経験をさせること。

おすすめ記事一覧

1

以前に難聴の疑いのままでしたと言う記事を書いてその後何にも書いていませんでした。うちの子の難聴→難聴 ...

2

2020年11月1日(日)に第2回ダウン症学会学術集会がありました。テーマは『ダウン症研究と移行医療 ...

3

クラリスをずー-っと飲んでいるお子さんはいませんか?クラリス(クラリスロマイシン)を長期で飲む理由は ...

4

おけはダウン症で咀嚼・嚥下が苦手かつ気管カニューレが入っていることで嚥下障害があります。そしてママは ...

5

今気になっていることの一つに息子の傷痕のことがあります。 今息子は気管切開をして人工呼吸器をつないで ...

-医療的ケア, 医療物品, 育児

© 2024 じょいく児。 Powered by AFFINGER5