医療的ケア 嚥下機能障害

口腔ケア

今日は歯科に行ってきて、歯石の除去をしてもらいました。途中ちょっとえんしたけれど全体的的には頑張りまんでした。

肺炎の原因って何かわかりますか。もちろん肺炎球菌とかインフルエンザ桿菌とかマイコプラズマとかが感染して起こる感染性肺炎。それ以外にもアレルギー性に起こる好酸球肺炎や、間質性肺炎てっいうのもあります。肺炎は日本における死因第5位(平成30年)です。ちなみにどのタイプの肺炎が一番多いか知っていますか?例えば70歳以上ですと入院した肺炎の80.1%が誤嚥性肺炎です。

誤嚥性肺炎を予防する一番の方法は不顕性誤嚥による感染を予防することです。

いわゆるむせたっていうのは顕性誤嚥で、鼻腔・喉咽頭・歯周の分泌物を無自覚のうちに少量誤嚥するのを不顕性誤嚥と言います。

不顕性誤嚥による感染を予防する方法は色々ありますが。

ここで今日のトピック口腔ケアです。

感染リスクを減らす

口腔ケアを5ヶ月継続する事で口腔内の誤嚥性肺炎につながる菌のが減少したという報告があります。また口腔ケアを2年間継続したところ肺炎をきたした人が有意に減ったという報告もあります。つまり、不顕性誤嚥をしたとしても、気道で悪さをするものが含まれていないければ肺炎にならないと言うことです。

口腔ケアって何かと言うとそれはそりゃ歯磨きです。うちは歯磨きを朝昼夜食後とおやつの後にしていますが、本当に肺炎を繰り返す様な場合、食前にも歯磨きをしてもいいと思います。口から食べている食べていないは関係ありません。胃瘻栄養の方にも、経鼻胃管の方にも、中心静脈栄養の方にも歯磨きをする様に言ってています。肺活量の弱い(有効な咳ができない可能性あり)COPDの方や、寝たきりの方にもものすごい歯磨きをする様に言っています。まだ手術の前や鎮静をかける検査の前も歯磨きした方がいいです。なんなら大きな病気になって予定入院する前は一度口腔の衛生状態を歯科で見てもらっておく事をおすすめします。うちの病院では抗がん剤開始前はほぼ必ず歯科受診をしてもらっています。

ともかく肺炎のおそらく即効性のある一番の予防は口腔ケアです。なんなら予防接種なんかよりもです。インフルエンザの予防にうがい手洗いはエビデンスないけれど歯磨きはあるんですよ。もしかしたらコロナにだって予防効果あるかもしれません。そして副作用ないですしね。是非今の時期、歯磨きに力を入れて見てください。

また息子が口腔ケアに力を入れているのは、歯周病予防の意味もあります。歯周病もかなり万病の元です。まだこれは別の機会に。

参考. 1)High incidence of aspiration pneumonia in community- and hospital-acquired pneumonia in hospitalized patients: a multicenter, prospective study in Japan 2)誤嚥性肺炎の予防 ——口腔ケアと摂食嚥下リハビリテーション——

  • この記事を書いた人

おkら

呼吸器内科医。産後育休を取らずに仕事復帰したものの1歳を過ぎたころダウン症の息子に在宅人工呼吸器が必要になり保育園退園→介護休業→介護休業使い切り退職→研究職。いつか臨床に復帰したい。今の目標は息子に色々な経験をさせること。

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